かじかのつぶやき

絵を描き 写真を撮り 本を読み 猫と遊ぶ ときどきお仕事な日々。。。

ふうちゃん、その後。

猫のふうちゃんが失踪して1週間が過ぎた頃。。。

家族はみな、100%帰って来ないだろうと思っていました。
「充分可愛がったから、もう悔いはない・・・」
「今頃、向こうでタマ吉(先代猫)に会えたかな・・・」
「裏山に好きだったエサを持って行って、供えてあげようかね」
「おじいちゃんも猫が好きだったから迎えに来てくれただろうね」
・・・などと、もう死んだも同然だと考えていました。

それでも私は、猫ベッドやご飯のお皿を片付ける気持ちには到底なれませんでした。
ダメかもしれないけど、もう一度会える様な気がする。。。
きっと帰ってくるんじゃないかな。。。
いや、今は帰って来なくても、来年、再来年とか月日が経ってから、生まれ変わってまた家にやってくるかもしれない。。。
その時は猫じゃなく犬だったり。。。きっとまた会えるよね・・・

そんな風に思いながら、辛い日々を過ごしていました。

あまりにも気持ちが重くなったので、気分転換に外出しようと思い、ドコモショップまで出掛けました。
何故、ドコモショップかと言うと、今使っている携帯電話の、いわゆる「2年縛り」が9月で解けるのを前に、次はどんなのが良いかなという物色もありまして。。。
9月になるまでには、新機種がいくつも出るのでしょうが、買いたい機種は既に決まっていました。
後はその機種の新型がいつ出るか?出ないならもう少し待つか。。。考え中な所です。

で、
地元ドコモショップでデモ機をいじってこようと・・・。

ドコモショップに着き、駐車場に車を入れた所で携帯が鳴りました。
妹からでした。

開いてみると、
「帰ったどーっ!!!」というタイトル。

え?え?

そこには、毛繕いするふうちゃんの画像。。。

えーーーっっ!!!!
帰ってきたの??

にわかには信じられませんでした。
これまで、遠くまで遊びに出る事はあっても24時間以上家を空けた事が一度も無かったのに、8日も帰って来なかったのですから、これはもうケンカ傷が悪化して死んだか、持病の腎不全が悪化して急死したかどっちかだと思っていたのですから。

急いで帰ってみると、、
布団の上で丸くなって眠るふうちゃんがいました。

撫でると不機嫌そうな声で「ニャ、ニャ、」と鳴きました。
背骨が浮き出てガリガリに痩せていました。
あちこちに小さな噛み傷や引っ掻き傷もあり、身体全体が土埃で汚れていました(その状態で布団に乗られるのは・・・)。

父も母も妹もビックリ仰天していて、嬉しいとか喜ぶ以前にショックの方が大きい様でした。
たとえるならば、
戦時中、息子が戦死したとの報せに、亡骸なき葬儀を行って涙ながらに「故人」を偲んでいたところに、ひょっこり本人が凱旋してきた・・・という感じでしょうか(笑)

一体、どこにいたのか?
四方の山々、畑、草原、すべてくまなく捜したのに。
猫だけが生息する「猫界」に入ってしまったのかとも思いました。。

とりあえず、生きて帰って来てくれました。
加トサンは号泣し、妹も衝撃で動悸が激しいとか言うし。
一人、私だけがドライでした。

ツイッターでも他のブログでも、思い切り湿っぽい書き込みをしてしまった手前、どうにもバツが悪くて(笑)

衰弱が酷く、エサを食べようとしないので、5日に動物病院の休日診療を受けてきました。
血液検査をしてみると、脱水症状だとの事。
水分不足は、腎臓が弱いふうちゃんには少し心配な症状ですが、水は沢山飲んでいるし、点滴もしてもらったので、段々と元気になってくれると思います。

そしてまたすっかり復活した頃には、外の楽しさを思い出してまた遠出を繰り返すのかもしれません。
放任飼いゆえ、同じ様なトラブルは再び起こる可能性は高いです。

が、前にも書いた通り、田舎の「開けっ放し生活」では完全室内飼いはほとんど不可能です。
古民家などでは外出する時も鍵をかけないくらいだし、昼間は真冬をのぞいて戸という戸は全て開けて風通しを良くしてるくらいだから・・・。

でも、その分車もあまり通らない林道ですから、交通事故の心配は殆どありません。
猫たちは道路の真ん中で日なたぼっこしています。
木登りもよくやっています。
室内飼いですと、爪切りは必須ですが、外で木登りなどする猫は、爪が短いと落下の危険があるので爪は殆ど切りません。
外を出歩いているうちに、すり減って短くなっていますから。

以前、大げんかして頭に大怪我をした時は、頭に包帯をまかれエリザベスカラーを着けられ、傷が落ち着くまで部屋で安静に・・・と言われたので外に出さないように戸を閉めて「軟禁状態」にしていたのですが、ちょっとした隙を突いて大脱走!
青いエリザベスカラーを着けたまんま、野山を走り回り、追いつけなくてへたり込んだ事もありました。

そんなにお外が楽しくて好きならば、もう閉じ込めないよ・・・
カラーのまま、走り回るふうちゃんを見た時に、室内飼いは完全に諦めました。

今年で10歳。
この先もきっと失踪する事はあると思います。
そして、ついには永遠に戻って来ないかもしれません。
そうやって、何匹犬や猫を失ったことか・・・
でも、彼らが楽しいと思う生き方を優先させたいと思います。
窓を開けて!戸を開けて!お外に行かせて!・・・と、一日じゅう鳴き続けるのを無視出来るほど、私達は完璧な飼い主ではありません。

その分、家に居る時は充分愛情を注いであげようと思います。
明日、いなくなるかもしれない。。。そんな思いを常に意識しながら。

ふうちゃんの失踪では、沢山の方々からご心配とお気遣いを頂きました。
本当に、ありがとうございました。

呑気な飼い主と奔放な猫3匹をこれからもよろしくお願いいたします。