猫のメイちゃん物語
メイちゃんは5月で2歳になる雌のキジトラ猫です。
一昨年の6月、私はメイちゃんと出会いました。
会社の玄関で・・・
会社のある地区には、春先から夏頃になると子猫を連れてさまよい歩くキジトラのお母さん猫がいました。
小柄で痩せたお母さん猫の後を、片手サイズの小さな猫が必死でついていきます。
子猫たちは、毎年どの子もオトナにはなれません。
会社の裏手は、ダンプがひっきりなしに通る国道。
猫たちはノラ猫・飼い猫に関係なく、事故に遭うケースが多くて生き延びるのがとても難しいのです。
それに、猫嫌いが多い地域でもあり、拾って飼おうなどと言う人は皆無。
エサが摂れないから1匹、また1匹と、命を失ってしまうのです・・・
私は過去に2回、会社の前庭で猫を保護した事があります。
どちらももう大分前に天国に行ってしまいました。
ノラ猫保護は、自分の一存では決められないし、心身共に負担も大きいです。
不幸な猫を減らしたいと思いつつも、1人で出来る事って限られています。。
そんな中で、私は小さな小さなキジトラ猫と出会ってしまいました。
数日前に、キジトラのお母さん猫が5匹の子猫を連れて歩いているのを見かけました。
ああ・・・また生んでしまったのか・・・無事に育つ子は何匹いるだろうなぁ・・・
職場の窓から、小さな小さな5つの命を見つめながら思いました。
それから数日経ったある日の夕方。
階下で猫の鳴き声がしました。
か細い小さな声です。
現場から戻った従業員のK君があやしている様でした。
もう1人の従業員・S君も「ニャーニャー」と言いながらかまっている様子。
親はいないんだろうか?まさか・・・はぐれた?
嫌な予感がしました。
ふいに、K君が私を呼んでいるのに気づき、1階に降りていくと、1階玄関先に、小さな小さなキジトラ模様の子猫がうずくまっていました。
目やにだらけで、痩せこけた本当に小さな身体・・・
K君曰く、
「うちには猫がもういるんで飼えないんだけど・・・親とはぐれちゃったみたいだから、このまま置いても多分国道に出たらアウトだね。・・・飼わない?」
えーっ!!!!
家には9歳の白黒オスネコ・ふうちゃんがいます。
年も性別も違うから仲良く出来るか微妙だし・・・
とは言っても、これから夜になり、真っ暗な中、ここでミャアミャア鳴いてる姿を想像したら、あまりにも可哀相で・・・・
気がつけば、K君が段ボール箱を用意していました。
あー。段ボール、用意してたんかいな・・・
K君「うちの猫はよその猫と全然仲良く出来ないんだよ」
私「それを言ったらうちの猫だって毎日よその猫とケンカだよっ!!」
K君「いや、ホントにうちは無理だから・・・・」
私「う〜〜〜〜〜〜・・・解りました!連れて帰ればいいんでしょっ!!」
そして、我が家にやってきた、キジトラの子猫・・・。
目やにと鼻水で顔がグシャグシャ。
まだお母さん猫のおっぱいで育っていたから、キャットフードなど食べた事がない。
急遽、猫ミルクを飼ってきて、やっとこさ口から食物を摂る事に成功。
あどけない顔立ち。人間の怖さも知らないまま育ってきました。
段々に猫缶を食べる様になってきました。
翌日、妹が動物病院に連れて行き、猫風邪用の抗生剤と目薬をもらってきました。
そこで解ったのは、
推定生後40日。体重400数グラム。
とりあえず元気だけはありました。
そして徐々に顔のグジュグジュも改善されてきました。
名前は、妹が中国語の漢字からつけました。
丁度6月で梅雨入りしたばかりだったので、「梅雨」(メイウー)にちなみ、メイちゃんと名付けました。
栄養失調でしたが、スクスクと大きくなり、昨年1月に不妊手術をすると、他の猫たち同様、ずんぐりと太ってきましたが、それも愛らしい。
不妊手術直後のメイちゃん。テレビが大好き。
ゴミ箱も大好き・・・・・
フクロウに似たような顔で、オバサン臭い(笑)鳴き声で、
後ろ姿は何となく、スーザン・ボイルに似てるような(笑)(笑)
でもその愛嬌ある姿が、最初猫の多頭飼いに否定的だった両親の心を解きほぐし、癒すようになりました。
今では娘達よりも猫たちの方を可愛がるように(笑)
メイちゃん、
メイちゃんの兄妹猫は、残念ながらどの子も冬を乗り越えられなかったよ。
生きられなかった兄妹猫たちの分まで、精一杯生きようね。