かじかのつぶやき

絵を描き 写真を撮り 本を読み 猫と遊ぶ ときどきお仕事な日々。。。

~父と娘の愛情物語~

先月観賞した『ダンケルク』が思いの外良い映画だったので、クリストファー・ノーラン監督の他の作品も観たくなり、TSUTAYAで借りて来たのがこちら。


映画「インターステラー」予告編 クリストファー・ノーラン監督作品 壮大な宇宙と主人公の葛藤描く

公開当時、観に行こうか迷って結局観に行かなかったのを、今になって激しく後悔。
同じノーラン監督の『インセプション』も良かったけど、
その何倍も良い映画だったわー。

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舞台は近未来の地球。

雨が降らず強風吹き荒れる荒れ地で暮らす元宇宙船パイロットのクーパー(マシュー・マコノヒー)は、妻を早くに亡くしてからは義父と2人の子供と共にトウモロコシを栽培してなんとか生計を立てていた。

ある日、娘のマーフは部屋で不思議な物音を耳にする。心霊現象かと疑うマーフに、父のクーパーは気に留めずにいたが、砂嵐が吹き荒れた日に砂埃が創り出した「メッセージ」を解読し、父と娘はある場所へと導かれる。
そこは、何年も前に閉鎖されたNASAの秘密基地で、物理学者らによって新たな銀河の惑星への移住計画「ラザロ計画」が進められていた。
かつてのキャリアを知る博士に宇宙船のパイロットを要請されるも、何年かかるか解らない、帰還出来るかも定かでない未知の宇宙飛行に、愛する家族を想うクーパーは苦悩するも、地球人類を救うために要請を承諾する。

泣きじゃくり、行くなと怒る娘をなだめ、必ず帰ると約束して宇宙船エンデュランスに乗り込む父。地球人が移住可能な惑星を探す旅は始まった。

地球人は救われるのか?
クーパー達探査メンバーは、新たな惑星を見つけられるのか?
そして、生きて再び地球に戻れるのだろうか?

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クリストファー・ノーラン監督はインターネット嫌いを公言していて、特殊撮影も最小限しか使わない事で有名だそうで、先の「ダンケルク」でも実際に戦闘機を飛ばし、船も沈没すれば兵士は冷たい海に投げ出されています。役者も大変だー。


インターステラー」は宇宙が舞台なので、無重力空間に放り出されるシーンは別撮りなのでしょうが(じゃないと逆に怖いって)漆黒の闇は深く、無重力・無酸素の空間がとてもリアルで恐ろしいです。

バリバリの理系ムービーなので、物理学や数学、天文学が得意な人だったら何倍も楽しめるかも。実際の法則や公式に則ったシナリオだそうですよ。

私は理科や数学の授業は「死んだふり」で通してしまったので、小難しい理論が台詞内に羅列されてると、もはや「ナニソレおいしいの」状態なのですが、そんなワタクシでも楽しめました。

元々、SFアニメが大好物で「宇宙戦艦ヤマト」で育ち「機動戦士ガンダム」で青春の日々を過ごしたせいか、理系の要素が濃密でも、なんとか「イメージ」で乗り切れるのかも(笑)

それにしても、
ある惑星での1時間は、地球の7年に相当するとか、それは旅に出た方も家で帰還を待つ方も辛い・・・
自分はまだ若々しくても、幼い子供達はあっと言う間に自分を追い越し老いていく。

切なくて、どこかで似た感情を味わったなぁと思っていたら、ああ、あれだ。
新海誠監督の『ほしのこえ』だ。
愛する人の元に、ありったけの想いを綴ったメールが届くのは、8年後・・・・・・。

宇宙は広い。広すぎる。深すぎる。辛すぎる。

主演のマシュー・マコノヒーはいかにも職人という感じのパイロットを好演。
宇宙飛行士を要請したブランド教授を演じたのは「わわ、年取ったな!」と思わず叫んでしまった、マイケル・ケイン

ブランド教授の娘を演じたのは、アン・ハサウェイ
ショートカットに潤んだ大きな瞳が美しい。

ラストシーンは、ガンダムファンなら「おおお!」と叫びそうになります(笑)

父と娘の愛情物語の終焉は、残酷でもあり優しくもあります。

ああ。映画館で観ればよかったーーーー(´д`)