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かじかのつぶやき

絵を描き 写真を撮り 本を読み 猫と遊ぶ ときどきお仕事な日々。。。

知らないってのは恐ろしい。

食べ物の事

昨日は恵比寿まで絵を描きに行って来ました。
なかなかどうして、チマチマと描く絵は首・肩・背中を直撃します。
今日は朝から首をグルグル回してばかり。そろそろ整体でほぐしてもらわねばな。

帰宅メールを加トサンに送ると、加トサンもちょうど残業が終わって帰るとこでした。
なので、駅まで迎えに来て貰い、夜ご飯もまだだったのでどこかでご飯食べましょう、と。

あまりに寒いので、遠くへ行かずに手っ取り早く、かっぱ寿司へ。
お寿司自体、久々に頂く気がします。

回転寿司ってのは、キケンですね。
ついつい食べ過ぎてしまいます。次から次へと目の前を横切っていくお皿を、ついつい手に取ってしまう。。。
気がつくと恐ろしい数のお皿が積んであったりして、一皿単価は激安でも、塵も積もれば・・・です。

ふいに、学生時代を思い出しました。
お茶の水で造園デザインを学んでいた私は、池袋の造園設計事務所でトレスのアルバイトをしていました。
私より10歳年上の女性が、幼なじみの女性と二人で設計事務所を開いており、私は池袋のワンルームマンションで、トレスの他にも台所仕事やら電話番やら使い走りやらで毎日走り回っておりました。

当時、確か・・・大きな多目的公園施設の設計を手がけており、私はA1サイズを超える長い図面を抱えて何度もコピー屋さんに行き、第2原図や青焼きをしてきたものでした。


今思うと、本当に何も知らない子供だったと思います。
ある日、請け負った仕事が完了し、池袋のお寿司屋さんで打ち上げしようと言う話になりました。
デザイナーのお二人が、私にご馳走して下さるとの事。
田舎娘の私はとても緊張しました。

だって、
お寿司屋さんに寄った事はこれまでほんの1,2回程度。
「お寿司用語」とでも言うんでしょうか、寿司だねの名前とか、お醤油を「むらさき」、生姜を「ガリ」と言う事など、まったくもって知らなかったからです。

私の中で、お寿司、と言ったら、母が手作りしてくれた海苔巻きの事です。
玉子やかんぴょう、サクラでんぶ、キュウリなどが入った、太巻きの事。
私は母の作る太巻き寿司が大好きで、お祝い事やお祭りの時のほか、小さな区切り事があると、母はよく作ってくれました。

私に初潮が訪れた時も、太巻き寿司でした。
娘に初潮があると、普通はお赤飯を炊いたりするものでしょうが、私は当時、お赤飯のささげが嫌いでして(笑)、母は代わりに太巻き寿司を作ってくれたのでした。
「何かお祭りとかあるのか?」と訝しむ祖父に、母は
「海苔が沢山余っているんですよ」と応えているのを襖の向こうで聞きながら、私は恥ずかしいやら怖いやらで、ひどく複雑な気分だったのを覚えています。


握り寿司の存在を知らずに育った私は、テレビアニメの「ど根性ガエル」で主人公のヒロシとピョン吉が、板前のウメさんの握るお寿司をバクバク食べるシーンを見て、
「これ、なんだろう?」って思っていました(笑)

高校時代、人気だった漫画に山上たつひこさんが描いた「ガキデカ」というのがありますが、その中で、主人公の「こまわり君」はお寿司屋さん未体験で、寿司用語が全く解らず、
「で、では、あがりを握ってくれ・・・」と言ってしまうのでした(笑)
私はそれを読んで、「あがり」ってのはお茶の事なんだな、と知った次第です。
「ガキデカ」のおかげで、その数年後に同じ轍を踏む事はなくなりました(笑)

とは言っても、私の寿司に関する知識はそこまで(;´-ω-)

事務所のオーナー、Kさんは「何でも好きなのを握ってもらいなさいね」と優しく言って下さいました。

そ、そうは言っても、ネタの名前が・・・
お品書きが写真付きだったら、こんなに緊張しなかったろうな(笑)

その時、ふいに思い出したのです。
テレビドラマで、登場人物がお寿司屋さんで会話するシーンがあったっけ。
なんのドラマだったか覚えていませんが、確か、「トロ」を頼んでた。

トロ。
美味しそうに食べてたよ。あれは多分、マグロ、だよね。
マグロならお刺身で食べた事あるからダイジョブだ。

そして、
玉子。これはもう、そのものずばりですから(笑)

そして私は意を決して、板前さんに告げました。

 

「とろと玉子を・・・」

それを聞いた事務所の女性お二方がすんごく驚いた顔をした途端、大笑いを始めました。

「ちょっとあなた!いきなりトロとか(笑)あなた凄いわよ!」
ゲラゲラ笑うオーナーさんと同僚のSさん。

でも、目が笑ってない(・_・;)

板前さんもこちらを見て微笑んでる。板前さんは非常に優しそうな目をしてる。

私、何かマズイ事言っちゃったのかな?言っちゃいけなかったのかな?

とりあえず、トロと玉子をゲットした私は、その後、KさんSさんが頼むお寿司を横目で見ながら、たどたどしく頼んでみた次第です。
お腹がいっぱいになったんだかどうなんだか、よく解らないまま、夜は更けていきました・・・

その後、
この事務所のお二人は、他のデザイナー仲間と某所でお花見をしたそうな。
(私は学校の授業があったので不参加)
そこでも私の事が話題になり、お仲間さん達は「へええ!!すごいねえ!!」と大笑いしたそうです。

とりあえず、大笑いしてくれたって事を前向きにとらえよう。
激怒した訳じゃないしね。
その後も造園設計事務所で、私は引き続きバイトに精を出す事が出来たのですから。

トロがとっても高いマグロの部位のひとつで、反対に玉子は通常とってもお手軽価格なんだって事にようやく気づいたのは、それから何年も過ぎてからの事でした。


モノを知らないってのは恐ろしい・・・・(ΘoΘ;)

その次の仕事の打ち上げでは、お寿司屋さんからほど近い洋食屋さんで、フランス料理のディナーをご馳走して頂きました。
こちらは、普段食べた事もない食材に胃袋がビックリしてしまい、後でこっそりパンシロンを飲みました(笑)
どんなお料理だったのかまるで覚えていないのですが、フランスパンとバターがとてつもなく美味しくて感動した事は忘れられません。。

Kさん、Sさん、あの時はいきなり「トロ」とか言ってごめんなさい。
「大物になるわよ」とまで言われましたが、私、本当に全然知らなかったのです。

お寿司、とっても美味しかったです。
不器用で失敗ばかりしていた私を2年近くもバイトで使って下さって、ありがとうございました!!

あのお寿司屋さんはまだあるのかな。
30年近く経ち、池袋東口もまるで別の街の様に進化しました。
あのワンルームマンションはまだある様ですが、お寿司屋さんとレストランがあったと思われる場所には、新しい雑居ビルが建っていました。

ちなみに、寿司ネタで一番好きなのはイカだったりします(笑)
トロは高脂肪なので、持病の再燃予防の為に控えています。
軍艦巻きと海苔巻きは、甲状腺の持病の関係で海苔がダメなので殆ど食べられません。

きっと美味しかったはず。あのお寿司屋さん。かっぱ寿司の何倍も。

もう一度、行ってみたい。