かじかのつぶやき

絵を描き 写真を撮り 本を読み 猫と遊ぶ ときどきお仕事な日々。。。

話したい、聞かせたい。

もう大分前の話なんですが、

池袋の某大型書店に行った時のこと。

エスカレーター脇のベストセラー書籍が並ぶ棚の辺りで、男性の大きな声が耳に入って来ました。

私は月刊誌のコーナーでBRUTUSのバックナンバーを物色していたのですが、
低い書架越しにそっとそちらを窺うと、初老の男性客が年若い女性書店員さんに何か講釈を垂れている様子。

私は平積みの雑誌をゆっくりと眺めながら、売れている単行本が並ぶ棚近くまでそれとなく移動しました。

初老の男性は女性店員に怒っているのかと思いきや、なにやら得意げです。

「ボクはね、女性ってのは必ず連絡するタイプだと思うんだよ。ボクは男性だから連絡しない。面倒なんだ。でも女性は違う!」



え?
なんだって?←耳がダンボになる

「男性は連絡先を書いても勤務先や携帯だろう?女性は違う!自宅の電話番号を書くだろう?」

女性書店員はにこやかに小さく相槌を打ちながら、聞き流しているご様子w

「男はね、自宅にはいないんだよ!」

 

・・・・・・はい?(*゜д゜*)

ヒトサマの会話に聞き耳を立てているはしたないワタクシですが、
この講釈垂れ爺さんが何をまくし立てているのか、細かい所までは解りません。

が、どうやら売り切れ本の注文をしてたけれど、入荷のお知らせが来ないまま時間が経ち、気になって店に立ち寄ったらとっくの昔に入荷していた・・みたいな話、らしい。

で、書店側は再三ご連絡申しあげましたが、連絡が付きませんでした、的な事を伝えたのでしょう。

「男はね、自宅にはいないんだよ!」

 

じゃー連絡付く所を教えとけよ爺さん。
若いおねいさん、困ってるぜ。


その後、
言いたい事を全部言えてスッキリしたのか、お爺さんはじゃあまた!と笑顔で書店を出て行きました。

後に残った若い女性店員さんは、持っていたハタキで書架のお手入れを始めました。
彼女より少し年上の女性書店員さんが近づいて来て様子をうかがい、若い店員さんは笑顔を交えて報告していました。

あのお爺さんはこの書店の常連で顔なじみなのかもしれないね。


こういう「持論炸裂型」な人は、年齢に関係無くたまにお見かけいたします。

職場にやってくる取引先の営業さん(私より年下)にもいて、彼が来ると私は完全聞き役になります。
先日も、聴衆は私ひとりという状況で、2時間の大演説会となりました(^0^;)

よくそんなに話す事があるなー(笑)

私の周囲に限って言えば、こういうタイプは女性より男性の方が多いかも。

我が父もそういうタイプだし(但し2時間も喋らせんよw強制終了じゃ)

自分の事を、ワーッと喋りまくる人って、普段は無口だったりする。
ここぞって時に「講釈魂」が発動、炸裂するw
今回、書店員の女性がその発動ボタンを押してしまったのね(笑)

私も一昨年だったかな、
地元の桜を撮影に来た、都内在住と言う初老のカメラマンの「講釈魂」をスイッチオンしてしまい、ちょっと大変な事になりました(笑)

 

ツボ押しは身体に良いけど、
スイッチ押しは気をつけようw

オジサンはそして、
若いお姉さんに言いたい事が言えて、
お目当ての本が手に入って、
その日一日、きっとハッピーだったかもしれない。
わかんないけど。

誰かが聞いてくれるってのは、それだけで幸せな事だよ。
聞いてあげるってのは、ある意味社会貢献だねw

私も、色んなシーンで聞き役になるので、
内容によってはどんよりする事もあるけれど、
聞いてくれる優しい仲間にも恵まれたので、
プラマイゼロです(*^ω^*)

ああ、あの書店に行きたくなってきた。
連休中に出かけてみようかな。