かじかのつぶやき

絵を描き 写真を撮り 本を読み 猫と遊ぶ ときどきお仕事な日々。。。

さよなら、コタロウ・・・ からの、おかえり!コタロウ!

コタロウ、我が家にたどり着いてから室内で寝起きするようになってひと月あまり。

頭と背中は、警戒心が緩んでいる時なら撫でても逃げなくなりました。
10か月前の『目が合えば逃走→行方知れず』から思えば、
なんと言う進歩でしょうか。

とは言え、まだ抱っこは出来ません。
ヒトの手を異常に怖がるのは、完全には克服出来ていません。
特に、庭に出ている時は絶対に近寄って来ません。むしろ逃げます。
「コタロウ~♪」と近づこうものなら、野良猫の素早さで逃げて行きます。
顔つきがもうね、家の中と違う。思い切り警戒してる。

かつて保護したばかりのモモがそうでした。
庭で遊ぼうと一緒に外に出ると、突然、走り出して逃げる。
遠くまで行く訳じゃないけど、植木の陰に隠れて出てこない。
近寄れば更に走って逃げる。
庭先で頭を撫でても逃げなくなったのは、保護してから5年くらい後でした。

屋外ってのは、野生の本能が優るんでしょうね。
違うスイッチが入っちゃう様なものでしょうか。
スイッチが全く作動しないのは、メイだけ(笑)


むしろ室内で猫じゃらしを使ってる時の方が野性味が出て来ます(但し一瞬)。

山間部では、庭やその周りの野山も、猫たちの遊び場です。
車も来ないしヒトも圧倒的に少数。
だから夜は野生動物の運動場&食事の場所←畑がぁ・・・(゜´Д`゜)

猫たちは気が向くと庭に出てひなたぼっこをしたり、庭の隅をトイレにして用足し。
虫を追い、鳥を眺め、気が済めばまた室内に戻って来ます。
コタロウも、そんな毎日を過ごせるようになりました(相変わらず警戒してるけど)。

が。

ある日。


外に出たまま帰って来なくなりました。

夜がふけても、
朝が来ても、
昼になっても、
日が暮れても、
星がまたたいても、
帰って来ない。

来る日も来る日も、
帰りを待ちわび庭にたたずむのに、
帰って来ない。

モモも不在に気づいて、庭を探し回ったり、窓から道や木陰を注視してる。

どこを探しても、帰って来ない。

・・・どうしたものか。

秋から冬のこの時期は、
オス猫にとっては縄張り拡充と子孫を残す為の一大イベント期間(つまり発情期)。
代々我が家で暮らしたオス猫たちは、去勢手術の有無にかかわらず、ケンカと家出を繰り返し、遙か遠くまで「遠征」して数日留守にする事もありました。

裏山で唸り声と絶叫が混じり合い、
何度サンダル履きで薄暗い山道を駆け上り・下りたか。
コラーッ!と叫んだところで、猫たちは、
「ちっ。とんだ邪魔が入りやがった」と一旦散り散りになって、周囲が静かになった頃にまた出て来てケンカ再開!そのたびにまたヒトはサンダル履(以下略)。

室内飼いならば、そんな大騒ぎなど起こらない。
完全室内飼いにすれば、余計な怪我などしない。
確かにそうです。その通り。
特に街では室内飼育にしないと危険がいっぱいです。

が、
山野を駆け巡りながら育った元野良達に室内飼いを試みた途端、ストレスで食欲をなくし、部屋のあちこちに粗相をし、障子やふすまにビリビリと爪を立て、飼い主の手にも噛みつくようになるのです。

そして、一日中、朝から晩まで
「外に出せえええええ!!」
・・・とばかりに大声で鳴くのです。

そうなるともう、猫のストレスよりも人間の精神が崩壊しそうになる(>_<)ので、諦めて玄関の戸を少し開けてやると、目を輝かせて庭に走り出て植木に登り、縦横無尽に駆け回ってゴロンゴロンと寝転がり、飛び跳ねるように遊びます。

なのでコタロウも、
ストレス過多にならぬよう、勝手口にある猫用出入り口はいつも少し開けておきます。
そこから外に出てしばらくのんびりし、お腹が空くと室内に戻って来るという日々が続いていました。

まさか、そのまま帰って来なくなるとは・・・

野良気質がかなり残っていて、100%飼い猫状態になるにはまだ大分かかりそうでしたが、庭に姿を見せるようになって10か月、室内に入るようになってひと月あまり、既にこんなにも愛おしい存在になっていたなんて、いなくなって初めてわかりました。

探しに行こうにも、屋外では野良モードなので、ヒトにはつかまらない。
しかも、自分の名前が「コタロウ」だって事もまだ認識出来ていない。
「おいで!」と呼んでも、自分が呼ばれてるって理解出来ていない。

そんなですから、捕獲もままならない。
自力で帰って来るのを待つしかない。

こんな事になるなら、もっと早く動物病院に無理矢理にでも連れて行けば良かったとか色んな後悔が押し寄せてきて、食事も喉を通らない朝が続きました。

朝が来ると、
泣いて。
夜が来ると、
泣いて。
出て行った出入り口を見ると、
泣いて。
食べ残したご飯を見ると、
泣いて。
(『酒と泪と男と女』の歌詞の2番みたいな状態w)

普段滅多に涙を流さないドライな私が、
ここ数日は大変ウェットでした(笑)

そして、

不在から100時間が過ぎ、
もう、会えないかもしれない。
さよなら、コタロウ・・・と、覚悟を決めた深夜。




帰って来ました!!!!



何事もなかったかのように!!!
モモが食べ残したご飯をガツガツ食べてるのを深夜に見かけた母が、
「ああ、モモってば今頃また・・・ん?尻尾が・・・長い?
え?え?え?コ、タ、ロ、ウ???」
工工エエエエェェェェェヽ(゚Д゚;)ノ゙ェェェェエエエエ工工

母の「帰ってキターーーー!!!」の声に飛び起きた加とさんと私。

先住猫のモモは小躍りするように駆け寄り、目を丸くして、
「お前どこ行ってたんだよ!!」とでも言うかのように、
餌をガツガツと食べるコタロウを眺めていました。

少し痩せて、身体のあちこちにケンカ傷がある様子。

まったくもぉ・・・(;´Д`)

もう二度と、
頭を撫でてあげられないと思ってたけど、
そっと頭に触れて撫でてあげると、
いなくなる前と同じように目を細めて喉を鳴らし、頭を手にあずけるように傾けて来ました。

そして、妹が使っていたベッドにあがると、くたびれていたんでしょうね、すぐに寝てしまいました。

オスってのは、ホント面倒くさいね(笑)←特にネコ科ねw

でも、本当に良かった。
帰って来てくれて、ありがとうね。

おかえり、コタロウ。
(なでなで)