かじかのつぶやき

絵を描き 写真を撮り 本を読み 猫と遊ぶ ときどきお仕事な日々。。。

ずっと、こうしていたいから。

27年以上通い続けている、
恵比寿の絵画教室でご一緒している方が、今春卒寿を迎えられました。

私が初めてこの教室に伺った時、
私は20代後半で、絵を描いて行こうかどうしようかとても迷っていた時期でした。
デザイン学校で製図を学び、それを活かして父の助手として造園建設会社で働き始めたものの、目指す分野では無かった事が、心の片隅でくすぶっていました。

自分にどんな絵が向いているのか。
アニメとか漫画の世界は10代もしくは20歳そこそこでデビューする現在、私が今から目指しても、もう遅いんじゃないか←かなりネガティブwというか弱気。

じゃあ油絵?
高校時代に描いてはいたけど、好きで描いていたかと言えば微妙。
水彩画は割と好きだったけど、迷いは募る一方で。
絵を描く事を生業には出来なかったけど、趣味で良いからやっぱり続けたい。
一人でただただ描くだけじゃ、自分がどの程度描けるのか、まだまだ未熟なのか解らない。
ならばどこかに通って、腕試しをすればいいのか。
どこに通えばいいのか。
当時はまだインターネットも一般には普及していない時期。
書店でガイドブックを探してみるか・・・と、都内に別用で出かけた折に書店へ立ち寄ってみました。

平積みになった月刊誌の一つを手に取り、パラパラとめくって、
ふと目についたのが、恵比寿の教室でした。
チケットを購入して、自分の都合の良い日時に通えるのが魅力でした。
これなら気楽に通えるかも。チケット代も5枚つづりで1万円だし(その後4枚1万円に値上がりしました)。
主に教えているのはパステル画。
パステル画ってどんなもんだろう?
色鉛筆画は何度も描いていましたが、パステル画は未体験でした。

駅から近いのも魅力でした。
恵比寿はその昔、デザイン学校の合同授業でグループ作業を行う事になった、インテリアデザイン科のO君が住んでいた街で、夏休み中のグループ作業を続ける為に、彼の家に何度かお邪魔した事がありました。
(O君元気かなあ?)

あの日から9年。恵比寿駅は当時のままでした。
恐る恐る、教室の扉を開けた時、
そこに居たのが、今春卒寿を迎えたHさんでした。
40号の大きなパステル用紙に描かれた美しい静物画に釘付けになりました。
淡い油絵、そう表現すれば良いのかな。こんな描き方があるんだ!と感動を覚えたものです。

先日、その事を手紙に書いて送ったら、温かいお返事が届きました。

卒寿を覚えていた事への感謝や、長い年月の中で色んな出来事があった事、
他のお仲間さん達との交流なども書かれ、結局私がHさんと最も長いおつきあいのあるお仲間になりました。

年の差は30歳以上ですが、それを感じさせない若々しさと瑞々しい絵心に、
私はいつも圧倒されます。
こんな風に絵が描けたら良いなぁといつも思います。

私が卒寿を迎えた時、果たしてまだ絵を描いているのだろうか。

っていうか、
90までアタシ生きられるかな(;゜ロ゜)

能天気でも病気にはなるもんなー(^0^;)

通い始めた教室で、
見よう見まねで描き始めたパステル画ですが、
2年後、公募展にまさかの入選、上野にある東京都美術館に展示されました。
同年12月には別の公募展にもまさかの入選、同じく東京都美術館に展示されました。
その後は某美術団体の公募展一つに絞って毎年出品し、美術団体の会員となって、
銅賞と金賞を頂いた年もありましたが、本当に描きたい絵を描こう・・・と思い立ち、美術団体を退会し、フリーになりました。
現在の様子は、前記事に書いた通りです。

現在、絵画教室をお休みしている70代後半のKさんと言うご婦人が、
O君のお母様と「ママ友」だった事が解り、
世間は狭い・・・を実感しました(笑)
ちなみにO君は独立して恵比寿には住んでいない様子。

もし、O君に会う機会があったら、
今もデザインの世界にいるのなら、
私もこうして恵比寿で色鉛筆画を教えているのよって伝えたいです。
君の描く絵は結構好きだったよ、と。
絵が、ね。絵、が(笑)



さて、来週火曜日もお教室です。
生徒さんと楽しいお絵描きタイムです。

頑張りましょう!(*^ω^*)