かじかのつぶやき

絵を描き 写真を撮り 本を読み 猫と遊ぶ ときどきお仕事な日々。。。

ふうちゃん、再入院、そして。

ふうちゃん、16歳と8ヶ月。

白黒毛、オス。
2001年の秋に保護してから早16年と4ヶ月。
腎不全が悪化して、入院したのは去年の暮れ。

基礎体力が平均以上なのか、
あっと言う間に腎機能の数値を正常値に戻して退院。

がしかし、年齢を考えれば再び数値が悪化する可能性は高い訳で。

そして、やはり再び悪化しました。

血液検査による腎機能の数値BUNが最大値140超えとなり、緊急入院。
「これはもう、腎不全の末期状態なので、乗り越えられないかもしれません」

乗り越えられない。すなわち、永遠のお別れ・・・

いつかはそんな日が来ると思っていたけれど、急にそれが目の前にやって来た。

獣医さんの言葉が、右から左に抜けて行く。
頭ではとても冷静なんだけど、心臓の鼓動はどんどん速くなる。
目の前で不機嫌そうな顔でうずくまるふうちゃんの頭を撫でる。
「ニャ・・・」と、小さく鳴くふうちゃんの声に胸が詰まって泣きそうになる。

ダメかもしれないと思いつつ、でも頭の片隅では
「きっと良くなってすぐ退院だわ」と根拠の無い確信がチラチラ光る。

「とりあえず、3日。3日が勝負です」

3日頑張れたら、また乗り越えられるね。←もう乗り越えるもんだと思ってる。

ふうちゃんを獣医さんに託し、病院を出た。
駐車場に、勤め先から駆けつけた加とさんがいた。
加「どうだった?」と聞く加とさんに、
私「かなり危ない。余命3日かもしれない」

「・・・・嘘だろ?嘘だよ!そんな訳ないって!!」と叫ぶ加とさん。

頭の隅では大丈夫だと思っているのに、ここで涙腺が崩壊。
駐車場で号泣する私。立ちすくむ加とさん。


とりあえず、家に帰ろう。
まずはふうちゃんの頑張りを信じよう。



車を運転しながら、
拾った日の事を思い出した。

か細い声で後ろ脚をズルズル引き摺りながらヨタヨタ歩いていたふうちゃん。
顔から耳から、かさぶただらけで、やせ細った小さな身体。
それがあっと言う間に5kg超えの大きな猫になり、
ムササビやらハトやらコウモリやら野ネズミ、野ウサギ、
ありとあらゆる獲物をハンティングしてきた。
ケンカも絶えず、
ボス猫はもちろん、タヌキやハクビシン、アライグマと異種格闘技戦を繰り広げ、
アライグマの爪で顔をザックリ裂かれて何針も縫う大ケガ。
頭に大穴を開けられた事もあったね。

マムシにちょっかい出して噛まれてショック症状に陥ったり、
他所様の畑に入り込んで農薬を浴びて中毒症状で意識不明になったり、
ヒキガエルを噛んで泡を吹いたり、
ムカデの毒で前肢がゴルフヘッドみたいに腫れ上がった事も。

色んな事を全て乗り越えてきた。
その驚異的生命力には獣医さんも驚いた。

だから、今回も大丈夫、大丈夫。

そう思っていても、涙が止まらず、何年ぶりかで声をあげて泣いた。
ふうちゃん、ふうちゃんと名前を呼びながら、慟哭。

泣きながら運転し(危ないなあ)やっとの思いで帰宅。

翌朝はボクサーみたいに目が腫れ上がっちゃって大変でした(^◇^;)

そして。。。



集中治療室での点滴治療が徐々に効果を現し、数値が下がり始めたのは2日後。
みるみるうちに、数値は正常値に!

面会に行くと、すでに集中治療室のケージで怒ってるふうちゃん。
獣医「ご飯が気に入らないんですよぉ(^◇^;)すごい食欲です!」


(*゜д゜*)

 

 

獣医「もうね、驚異的な生命力ですよ!」


(*゜д゜*)



ふう「ニャーッッ!!ニャーッッ!!」
 訳(俺にこんな不味いメシを食わせるのかお前ら!!!)

 

処置台の上に移してもらうと、怒った顔で私達にまた鳴く。
「ニャーッッ!ニャアアーッ!ニャアアーーーーーッッ!!」
 訳(お前ら、何こんな遅いバンメシどきに来るんだよ?!あぁ?俺を連れて帰るのか置いてくのかどっちだこの野郎!)

「そりゃー君、まだまだ治療が必要ですからしばらくおつとめに励んで下さいよ」
翌日は休診日なので翌々日にまた面会に来ます、と獣医さんに告げ、
加「ふうちゃん、明後日また来るよ」と言った途端!


(ああそうかい、連れて帰る気なんかねーんだな、解ったぜ。ぷんぷん)

ふうちゃん、なんと、自分から処置台を降りてそそくさとケージに戻ろうとしました!


(゜ロ゜屮)屮 そこにいた一同、呆然!


ふうちゃんを長年診てくれた院長先生が仰天しながら、
「日本語を理解しているのかしら?すごいわ!すごいねふうちゃん!」
と、絶賛しておりましたよ・・・

そしてケージに戻るとまた怒る。今度は獣医さんに向かって。
「なんだよ!この餌は!もっと美味いメシを出せってんだ!この野郎!」
 人間で言うところの、ちゃぶ台ババーン!状態、でしょうかw

獣医「ああゴメンゴメンふうちゃん(^◇^;)まだご飯を変えてなかったね!汗」
あわてて、餌と水を違うものに変える獣医さんとスタッフさん。

 

センセ、下僕になっとる・・・(;゜ロ゜)

そして、数回の面会ののち、

8日目に退院しました!
しかも元気いっぱいで、病院に連れてった日より、丸々としてるし・・・

早速、食欲旺盛であっと言う間に猫缶を1個半完食。

本来なら腎臓用の療法食を与えなければいけないのですが、
ふうちゃんは全く食べてくれず、病院でも全然受けつけない。
どんなにお腹が空いていても、嫌いなモノは絶対食べないのは、保護した時から変わりません。
栄養失調が改善するように、子猫用の高い高い缶詰を買って食べさせようとしたらそっぽを向かれてしまいました。
(人間用ツナ缶の何倍も高いのにヽ(;▽;)ノ)

なので、食事制限は中止。代わりに腎機能改善のサプリメント(これも高額)を朝晩与える事に。


今朝も早くから、ニャーニャーニャーニャー、美味い物を食わせろと鳴いております。

ああ、こうやって振り回される日々がまた始まる。
大変だけど、元気でいてくれる事の幸せ。

いつかは、別れる日は来るけれど、
その日が少しでも先になりますように。

ふうちゃん、
戻ってきてくれて、ありがとうね。

 

またお散歩に一緒に行こうね!

昨年、満開の桜を見ながらの林道散歩。