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かじかのつぶやき

絵を描き 写真を撮り 本を読み 猫と遊ぶ ときどきお仕事な日々。。。

私も、世界の片隅で生きていく

2016年も終わろうと言う頃に、
「本年度№!」
「日本人全員が観るべき!」
「何度でも観たくなる映画」
「あの映画を超える感動と衝撃!」
・・・・・・


などなど、
著名人・一般人がこぞって絶賛大会なアニメ映画が公開されました。

そんなに大絶賛なら一度観ておこうかな・・と思ったけれど、
近くのシネコンではやってない。
やっぱり都内で観ようかなーと思っていたら、
年明けてすぐに地元から比較的近い映画館で上映開始になったので、
早速鑑賞して来ましたよ☆

konosekai.jp

原作はこうの史代さんの同名漫画。
原作の絵柄を生かし、ふっくらした丸みのあるキャラクターはジブリアニメを彷彿とさせます。
※監督の片淵須直さんは実際に某ジブリアニメに関わっていらした方。

ネタバレしないように、あらすじを書いてみましょう。

広島市で暮らす浦野すずは、ちょっとスローテンポながら心優しい女の子。
18歳になったある日、呉にある北條家から縁談を持ちかけられ、周囲が勧めるまま北條家に嫁ぎます。
すずの夫となった若者は、海軍に勤務する周作。寡黙だけど優しい愛情で妻となったすずを支えます。
北條家の面々は、のほほんとした義父、足が悪いが穏やかな義母、夫の死後、娘を連れて実家に戻って来た義姉、義姉の子。
辛い思いをしたがゆえに、すずには厳しい義姉。すずを年の離れた姉の様にしたう、義理の姪。
配給物資は徐々に減らされ、すずは少ない食材をいかに調理して空腹を紛らわすか、日々研究し実践して行きます。

現代だったら、
草刈り機か除草剤で駆逐されそうな道ばたの野草を茹でて粉や調味料と混ぜて焼いたり、
玄米を煎ってふやかして膨らませて炊いてみるなど、
それは毎回必ずうまいこと行く訳ではないけれど、
北條家のヨメとして、すずは精一杯働き続けるのでした。

すずには特技があります。

それは、絵を描く事。
玄人はだしの風景スケッチは、辛い事の多い家事の合間の、ささやかな息抜きです。
(私も絵を描きますが、風景画だけは【鬼門】でして、未だに克服出来てません)

呉の港に停泊する軍艦をスケッチしているのを憲兵に見つかり、家まで引っ張られたあげく、家族共々厳しい叱責を受けるのですが、凹むすずと違い、家族は大爆笑!
義母と義姉は憲兵の顔が可笑しくて笑い転げ、
周作はすずに、次は見つからないようにと小さいノートを渡し、
帰宅した義父もその日の出来事を笑い飛ばすに至り、すずは違う意味で笑えないww

そんな一家も、戦争の激化によって少しずつ笑顔は失われて行きます。

米軍の爆撃は日増しに増えていき、ひっきりなしに空襲警報が発令され、人々の心は暗くふさいで行きます。

そして・・・
つとめて明るく振る舞い、一生懸命生きてきたすずの人生が大きく揺らぐ出来事が起こります。
生きる勇気さえ奪い取ってしまいそうな悲劇に襲われて、
心身共にうちのめされる、すず。

そして・・・
新型爆弾による攻撃で壊滅状態となる広島。
そこには、すずが生まれ育った街と最愛の両親姉妹が暮らしていました・・・

 

やがて、終戦。


太平洋戦争がもたらした災禍を乗り越えて、再び前を向いて歩き出す、すず。

そのゆっくりとした歩みに、確かな生きる希望が芽生え始めるのを感じながら、映画鑑賞を終えました。

主題歌を歌うのは、コトリンゴ


コトリンゴ -「 悲しくてやりきれない 」

脱力系(失礼)シンガーの、語りかけるようなメロディが、逆に哀しみを盛り上げる様に思えて泣けてきます。

歌詞の、
「悲しくて 悲しくて とてもやりきれない」

の様に、本当に悲しくてやりきれない日常を生きるしかない、当時の人々の思いが眼にしみました・・・涙涙涙涙

この映画には、ハラハラもドキドキもありません。
ワクワクもエキサイティングもありません。
淡々と、70年前の日本に起こった出来事を伝えています。
そしてそれは、本当に悲しい出来事だったにもかかわらず、
どこか温かくユーモラスで優しい愛に満ちています。

どんなに辛くても、
人はユーモアと愛があれば乗り越えられるんじゃないかな。
そんな風に思える作品でした。

あー。観て良かった。

映画化出来て本当に良かった。


アニメは子供の観るもの、とか、
戦争ものに興味はない、とか、
絵柄が好きじゃない、とか、

ひとまずそういう嗜好は横に置いて、
ぜひぜひ、ご鑑賞下さいませ。
オススメです☆