かじかのつぶやき

絵を描き 写真を撮り 本を読み 猫と遊ぶ ときどきお仕事な日々。。。

鹿撃ちの話。。

朝、林道を散歩してると、鹿や猪が夜中に土手を登った形跡に出くわします。
夜露で柔らかく湿った土に前肢をかけ、後肢で蹴り上げて登り切る。
土手の草は掘り起こされて崩れかかっています。

鹿も猪も、市では害獣認定されているので、猟期になるとハンターが山に入り駆除と称して銃殺して行きます。


そもそも、鹿や猪の安住の地を乱開発で奪ったのは人間達なのに、目の敵にされてしまう野生動物には心から同情し、何とかしてあげたいと思うのですが、思うばかりで何も出来ない私。



いや、今日の記事はその話ではございませんよ。映画ネタです(汗)
鹿を撃つハンターの事を、ある映画では「ディア・ハンター」と言います。

ディア・ハンター デジタル・ニューマスター版 [DVD]

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この映画を初めて鑑賞したのは確か84年頃。テレ朝の「日曜洋画劇場」でした。
アカデミー賞の作品賞や助演男優賞を獲得した映画だとは知っていましたが、劇場公開した時は見たいとも思わなかった作品です。
が、たまたまテレビを点けたら丁度21時で、そのまま引き込まれて最後まで見てしまいました。

あまりの衝撃に、1週間は魂を抜かれた状態でした。
丁度今、私が朝ドラ「純と愛」放映終了で「純愛ロス」に罹ってしまったのと同様に「ディア・ハンター・ロス」に罹った様な感じでした。

しかもそのロス症状は何年も続き、VHSビデオを買おうと思ったのですが、当時(1983年頃)の価格で19800円!!たっけー!!!

しかもVHSビデオじゃ、繰り返し見たらテープが劣化します。
もったいないよなと思ってた所に登場したのが、レーザーディスク!!
これは買いだ!!
当時、パイオニアから売り出されたレーザーディスクプレーヤーは、19万8千円!!
じうきうまん・・・だ、と・・・?
当時、私のバイト料が月に10万行くか行かないか。貯金は2万。
買えないってばさ!
それに、
肝心のディア・ハンターはLD化してないし。。
でも必ずLD化するはず!名作なんだし!

そして私は85年、アキハバラの石丸電機にて14万9千800円(銀行振込)で購入!
貯金は15万。手数料まで払うと残高はゼロになってしまうと言うのに(笑)
今ではそんなお金の使い方なんて恐ろしくて多分出来ないけれど、当時はもうね、買えた事が心から嬉しくて嬉しくて♪
「お金なんてそのうち貯まるさ」
くらいに考えてましたね。
過去も未来もない、今、ココにいる私の幸せが一番大事!
それを実践していましたよw

最初に買ったLDはコレとコレ↓

ウイ・アー・ザ・ワールド [DVD]

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ドゥ・ゼイ・ノウ・イッツ・クリスマス

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毎日毎日視聴してました。歌詞の意味などわからなくともカタカナ英語で覚えちゃうくらいに見てましたねえ。。

さて、
私がハマった「ディア・ハンター」ですが、どういう物語かと言いますと、
ベトナム戦争が激化した頃の物語で、徴兵されていく東欧スラブ系アメリカ人の若者達が主人公です。
彼等の趣味が鹿撃ち。映画の最初の方と後半にハンティング場面が登場します。

彼等は結婚したばかりの新妻や恋人を故郷に残してベトナムの最前線に送り込まれます。
そしてベトナム軍の捕虜になり、彼等の賭博「ロシアンルーレット」に使われるのです。
捕虜はピストルを自分のこめかみに当て、引き金を引きます。
装填された弾は1つ。発射されるか否かに、ベトナム兵はお金を賭ける。
生きるか死ぬかの地獄の中で次第に心を病んで深みにはまっていく仲間。
隙をついて逃亡するも両足切断の大怪我をする仲間・・・
1人だけ、無事に帰郷するも、心はベトナムに残した親友のことばかり・・・

この、1人だけ帰郷し苦悩する帰還兵マイケルを、若き日のロバート・デ・ニーロが好演しています。
ロシアン・ルーレットの闇に引きずり込まれる親友ニックにクリストファー・ウォーケン
彼はこの作品で最優秀助演男優賞を獲得しました!
両脚を失い、失意のどん底で生きる仲間スティーブンに、ジョン・サベージ。
彼等それぞれの熱演にグイグイと引き込まれます。
愛するニックを故郷で待ち続ける恋人に、メリル・ストリープ

彼等の仲間で皮肉屋のスタンリーには、実生活でもメリル・ストリープの恋人だったジョン・カザール。
彼は胃癌を患っており、作品の最初と最後では病の進行によって風貌が別人の様です。
そして公開前に力尽き、本作が彼の遺作となってしまいました。

ラストシーンの物悲しい食事風景と、その後に流れるギターの調べに、思い切り「ディアハン・ロス」発症です(涙)

Cavatina 〜 The Deer Hunter【classic guitar】 - YouTube

いつかLD化されると待ち続けた結果、その1年後くらいに発売され、即買いましたよ!!
(確か9800円くらいだったと思います)
何度再生してラストで涙した事か・・・うっうっ・・・・゜・(PД`q。)・゜・

賛否両論あった作品ですが、今でも私がこれまで観た洋画の中では、ベストワンだと思っています。

鹿が荒らした土手を見ていたら、ふいに思い出したなつかし洋画の話でした☆