かじかのつぶやき

絵を描き 写真を撮り 本を読み 猫と遊ぶ ときどきお仕事な日々。。。

猫のモモちゃん物語

猫のモモちゃんはもうじき1歳4ヶ月のメスのキジトラ猫です。

この子を最初に見つけたのは、母でした。
それも、家の台所で。。。

最初に飼っていたふうちゃんは室内外を自由に行き来して暮らしています。

田舎では、今も日中の在宅時は玄関も縁側の窓も開け放しているので、完全室内飼いという飼育方法は非常に難しいのです。

それに、道路は林道。
車も、そこに住んでいる人がたま〜〜〜に通過する程度ですから国道などと違い非常に安全。
春になると、ふうちゃんは林道のど真ん中でひなたぼっこをしています(笑)

なので、留守中もふうちゃんが自由に出入り出来るように、台所に繋がる勝手口のドアの下隅には「猫用の出入り口」があるのです。

一昨年の12月でした。
母が起きて台所に行くと、テーブルの下に猫がいました。
母はてっきりメイちゃんだと思って声をかけると、その猫はパッとテーブル下から飛び出して、凄い勢いで猫出入り口から外に飛び出して行きました。

驚いた母。
よく考えれば、台所にメイちゃんが居るはずはなかったのです。
当時は、妹がメイちゃんは室内オンリーの飼い方をしようと言い、妹の部屋内だけで飼っていました。
まだ、先住猫のふうちゃんともスムーズな共同生活が出来なくて、無用なケンカを避ける為、もあって、妹の部屋からメイちゃんを出す事は一切無かったのです。

それに、メイちゃんよりも一回り以上小さい。
しかもガリガリに痩せていましたから。

台所から逃げた猫は、昼近くになって、物置のそばにうずくまっているのを見かけました。

近所にキジトラを飼っている家があり、よく似ているけどその猫はもう成猫。大きさが違いすぎ。

妹が近づいて触ってみると、怯えきって震えていました。
酷い痩せ方に、妹もビックリしました。

どうやらノラ猫・・・しかも捨てられた可能性がある。

山間部の小さな集落。
飼い猫もノラ猫もごくわずかな地域。
飼い猫が迷って我が家まで迷い込むって事はまずあり得ない。

そして、近所の方からこんな情報も。
グリーンラインによく似た猫が歩いてたな。ちっちゃい仔猫だったよ」

グリーンラインとは、山の尾根づたいに秩父方面に抜ける林道で、標高も高く、冬は全面凍結で通行禁止になる箇所もある林道です。
夏になると、よく走り屋さんやツーリングのバイクが走行しますが、普段の通行にはあまり使われない所。

実際、犬猫が捨てられる事も多いのでした。

我が家はグリーンラインから直線距離で200mほど下った所。
林道だと約1.5km下った先。

小さな小さな仔猫は、イノシシやハクビシンの棲む山を、痩せた身体で怯えながら、空腹をこらえながら、必死に飼い主や親を捜して歩いたのでしょう。

窓の外にうずくまっているところ。

メイちゃんと始めて玄関の引き戸越しに対面。メイちゃんは興味津々でした。

そしてその頃、丁度不妊手術前のメイちゃんが発情期に入り、毎日大声で鳴きわめいていました。
おそらくその声につられ、深い森を我が家目指してヨタヨタと下ってきたと思われます。

それを思うと、どうにも可哀想で何とかしたい・・・出来れば家で・・・

とは言え、
家には9歳の先住猫、ふうちゃんと、保護して半年経ったばかりのメイちゃんがいます。
猫の多頭飼いには猛反対だった両親をやっと説き伏せて、メイちゃんを飼い始めたばかり。
更に1頭追加など、両親が賛成してくれるとは思えず、妹と、私と加トサンは頭を抱えました。

そうだ!里親募集をしよう!

私はmixiの里親募集サイトに参加し、更にかかりつけの動物病院に写真を貼らせてもらい、ツイッターにもブログにも写真を載せて「この子の飼い主になって下さい」と呼びかけました。

病院に貼った写真。抱いているのは妹。

両親には、里親が見つかるまでの間だけ、と説得して、物置き部屋を片付けて猫の部屋にしました。
元々、夏の間はメイちゃんを保護していた場所。今回は冬なので、湯たんぽや古い毛布などを持ち込んで寒さ対策もしました。

動物病院の診察で分かった事は、生後約2ヶ月(10月生まれ)。体重約600グラム。
栄養失調ながらも、血液検査の数値はほぼ正常。

そして3ヶ月・・・。
幸いな事に「うちの猫に・・・」と言う元獣医のご夫妻が名乗り出られました。
一安心するも、3ヶ月の間、毎日世話をしてきたので、情も移ってしまって少し寂しい気持ちも・・・。

両親もヤレヤレ、やっと片付くな、と安心した様子。
多少、複雑な気持ちでそれを見ていた私。

ところが、事態は急転します。

里親を名乗り出られたご夫妻は、いくぶん高齢な方々。
これから老化が進み、猫の世話が出来るか不安になってこられたのです。
さらに、自分達が先に逝き、猫が残されたら・・・と思うと飼う自身がなくなってしまったとの事。

そして、ご夫妻は、里親になるのを諦めてしまったのです。

とてもガッカリした反面、心の片隅ではホッとしている自分がいました。

両親も、それを聞き、仕方ないな、、、と諦めムード。

結局、仔猫は3匹目の飼い猫になりました。

名前をつけなきゃ、となり、ふうちゃんメイちゃん共に中国語通訳でもある妹が中国語にちなんだ名前をつけてきたのですが、この子の場合は、母が、

「梅(の花)の次(に咲くの)は桃(の花)だね」

の一言で、モモちゃんに決定(笑)
簡単すぎ・・・ww

台所で見つけてから、1年2ヶ月になろうとしている今日この頃。

仲良くメイちゃんと並んでスヤスヤ・・

どちらがメイちゃんでどちらがモモちゃん?
飼い主でも解らなくなります。

大らかなのか、いつも熟睡していると仰向けのバンザイ状態(笑)

モモちゃんは、年の近いメイちゃんとはすぐに仲良しになり、ふうちゃん同様、室内外を自由に行き来出来る飼い方になってからは、庭を2匹で追いかけっこをして遊んでいます。
雨降りな日や夜は、廊下を2匹で大運動会(笑)
同じキジトラなので、最近は見分けがつかず、しょっちゅう名前を間違えます。
父などは、咄嗟にどっちか分からず、
「メッ・・・メモ!!」
と叫んで大笑いになったり。

ただ、ふうちゃんとは今も緊張状態が続いています。

「あっちへいけ!」ふうちゃん、微かに唸ってます(汗)

オスで、年も離れているせいか、どうにも仲良しって言う雰囲気にはなれません。
メイちゃんとふうちゃんは距離を保ちながらも何とか共同生活が出来ていますが、モモちゃんとふうちゃんは時々大げんかになり、家族を困惑させています。
ま、これも、いつかは時間が解決してくれると私は楽観視していますが。

メイちゃんと比べて、頭も手足も細長いモモちゃん。

尻尾はカギ尻尾になっています。

ミャアミャアと大きな声で鳴くメイちゃんに対し、モモちゃんは滅多な事では鳴かない。
ドタドタと足音がうるさいメイちゃん。
モモちゃんは足音が全く聞こえず、気がつくと傍らにいた、という感じ。
膝抱っこが好きで常に母の膝の上に居るメイちゃん。
膝の上には滅多に乗らず、一人座椅子で丸くなるモモちゃん。

身体が重くて少しの高さもジャンプが出来ないメイちゃん。
身体や手足が細長いモモちゃんは1m以上の大ジャンプも平気だし、走るのも速い。

カリカリフードが好きなメイちゃん。
缶詰フードが好きなモモちゃん。

共通点はキジトラというだけで、後は全く正反対。
でも、2匹は姉妹の様に寄り添って生きています。

ずっとふうちゃん1匹を飼ってきたので、まさか3頭の多頭飼いになるなんて、2年前には考えた事もありませんでした。

でも、これも何かの縁です。
きっと神様が「ここの家なら可愛がってくれる」と思って導いたのでしょう。

今では、メイちゃんモモちゃんの愛らしい姿が、両親の癒しになっています。
まるで孫を可愛がるかのような過保護ぷりに、思わず苦笑。。
もちろん、先住猫が最優先なのは当たり前。
でないと、ふうちゃんはひねくれて家出しそうなので(汗)。

猫に振り回され、癒される日々。

ずっと続いてくれる事を願う今日この頃です。。。