かじかのつぶやき

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永遠の0(ゼロ)

読書大好きの私ですが、最近は全然読めてません。

読みたい気持ちと裏腹に、あれこれ雑事に追い立てられるばかりでして。

そんな中、ちょっと時間があったので読んでみたのがコチラ。

永遠の0 (ゼロ)

永遠の0 (ゼロ)


クイズタイムショックよりも書評で最近は人気の児玉清さんがラストで号泣したという話題の本。

亡くなった祖母が再婚で、血の繋がった祖父は特攻隊員で亡くなっていた。
自分のルーツを探るべく、祖父がどんな人物だったかを、当時の関係者から聞き取り調査をしていくうちに、意外な祖父の一面を知る。
そして、特攻隊員として最後の出撃に何があったのか・・・・?

戦時下の日本軍がいかに兵隊を消耗品扱いにしてきたかが、怒りを込めて描かれています。
太平洋戦争が、大日本帝国が、どれほどの命を無残につぶしてきたか。
そういう、歴史の教科書には絶対出てこない様な哀しい出来事が淡々とノンフィクションタッチで綴られて行きます。

ラストでは、意外な繋がりと衝撃の真実が語られて行き、祖父母の夫婦愛、祖父が最後まで思い続けた娘(主人公の母)への愛に、これは涙腺が緩むのもわかるなーって思います。

残念な事に、
私はこの本を読む前に大体のあらすじを知ってしまっていたので、号泣する事はありませんでした(まったくもぉw)

読んだ人からは絶賛の嵐だそうで、映画化を望む声もドンドン増えてるそうな。

うーん。
映画化はキビシイのではないかなぁ。。

フィクションではあるけれど、日本軍の幼稚な作戦とか使い物にならない上官とか、実在の組織や人物に容易にリンク出来てしまいそうだし・・・
名誉毀損とかに発展しないだろうか?

日本は立派に闘い続けた!日本軍は猛々しく潔い、武士の魂を持った集団・・・
という風に美化し続ける人や団体もいるだろうから、映画化するとなると彼らのプライドや思いを甚だしく侵害するのではないだろうか?
そうなると色々厄介だと思うんだよねえ・・

と危惧する一方で、映画化されたらさぞかしヒットするんじゃないかしらね。

とはいっても、
邦画界は原作をブチ壊すのが大変上手な業界だから(笑)

読み終えて思ったのは、
今の日本がいかに豊かで平和で幸せな国で、いかに情けない国か、という事。

不況だし盛況は不安定だし凶悪事件も随分と増えて治安も悪くなっているけれど、わずか20代で爆弾抱えて敵艦に特攻しなければいけない事などないし、空から焼夷弾が降ってくる中を逃げ惑う事もない。
明日食べるモノや、夜寝る場所が無い心配なども普通は、ない。

国の為に命を捨てていった人達が、今の日本を見たらどう思うだろうか。
生まれる時代を間違えたと思うだろうか。
こんなだらけた国を守る為に命を捨てた事を悲しむだろうか。
領土問題で自国を守る為に毅然とした態度の取れない政治家達に憤るだろうか。

ほんの70年ほど前の日本に起こった出来事を、孫である主人公と友に遡ってみるのもいいですよ。
読んでる途中で自分達の国がちょっと嫌いになるかもしれないけれどww